スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

明日の広告と思うところ

2008年01月22日

本日は本のご紹介です。
クリエイティブ・ディレクターの佐藤尚之氏が広告について著したものです。

「明日の広告-変化した消費者とコミュニケーションする方法-」
という本でアスキー新書から出版されています。



インターネットの普及により、いわゆるマスコミ(TV、ラジオ、雑誌、新聞)の
広告効果が低下したという悲観に対して著者が独自の視点で解決案を提示している
ものです。と、書くと広告関係に関心のある方を読者として想定して書いてある
本に思えますが、私はこの本は広く一般の方が読んで非常にためになる視座を提供
しているものなのではないかと感じました。

特にこの本で繰り返し述べられていたのは、企業本位で行われてきた広告活動も
消費者本位で行うことによってマスコミの影響力低減を補うだけのチカラを発揮
することができるのではないかということです。

要は、企業のための広告であったものを、ユーザのための広告に移行するという
そんな発想です。例えばこれまでは、企業が商品を売るために
広告活動をしてきましたが、これからは購入者の満足度をより高めるものとして
広告活動をしてはどうでしょうか?という提案のようなものです。

で、これが広告関係者だけではなく一般の方にも非常にためになる視座を
提供しているものではないかと感じたのは以下の様な理由からです。

商品開発の話になりますが、ソニーのプレイステーション3と任天堂のWiiは
その売上げにしろ販売個数にしろ現状では大きな差が生じています。
私はその背景にあるのは両社の商品開発のスタンスにあるのではないかと、
その様に考えております。ソニーはシーズアプローチ的な商品開発手法を用い、
任天堂はニーズアプローチ的な商品開発手法を用いた結果が現状の結果を
導いたのではないでしょうか。
ソニーはメーカーらしく、自社の技術力を基盤に商品を開発し、それに対し
任天堂はまずユーザのニーズありきだったのではないかということでございます。
そしてそれは、それぞれのインターフェースにもよくよく現れているのでは
ないでしょうか。複雑な操作が可能で、ボタンも複数ついているPS3のコントローラ
それに対して一見、操作が単純そうに見えるWiiのコントローラ。
私はここにこそ、両社のスタンスの相違が如実に現れているのではないかと思います。

閑話休題。

企業本位ではなく、消費者本位であるということは、近年の企業活動に対しての
アンチテーゼを呈するものではないかと思います。売りたいから売れそうなものを
作って売るのではなく、自分たちがほしいから作る。一消費者として自分自身の
ニーズを満たすものを作り上げ、それを社会に対して提供した結果、対価として
売上げが出る。ここで大切なのは、一消費者として自分自身のニーズを満たすものを
作り上げる、ということですが私はそのスタンスがあって初めてユーザ本位の
きめ細かい部分まで考えられた製品が完成するのではないかと思います。そして、
その様な製品が流通して、商品となって消費者の手元に届く間に行われるであろう
広告活動も消費者本位のものであって然るべきかと。。。

そんなわけで、この本には共感する部分も多かったのですが私はこの本を別の
視点でも皆様にオススメしたいと思います。
というのも、この本の著者は実はスラムダンクの1億冊突破記念のキャンペーンを
ディレクションした方が書かれている本でして、そのキャンペーンの裏側についても
結構なページを割いて色々と語っているのです。
このブログをご覧になっていらっしゃる皆様の多くは私と同年代かと存じますが、
スラムダンクに対する思い入れというのはそれぞれが少なからずお持ちなのでは
ないでしょうか。そんな皆様は、この本を何倍も楽しく読むことができるのでは
ないかと、その様に思いまして、オススメ致します。  


Posted by CATS HOUSE RECORDS at 03:06Comments(4)ミヤハラコウヘイ