剣客商売

2007年03月17日

今日は私が高校時代から大好きな作家の、
有名な時代小説シリーズについてお話したいと思います。

読書が好きな方なら一度は手にしたことのある本だとは思うのですが、
池波正太郎さんの代表作「剣客商売」シリーズです。
剣客商売シリーズは本編16冊と番外編数冊から成ります。

1973年以来、幾度かテレビドラマ化されてもいるので少なくとも
「剣客商売」というフレーズは聴いたことのある方が多いのではないでしょうか?
シリーズ累計では1800万部以上も出版されているので、
古本屋で見かけたことのある方もいらっしゃるでしょう。

この小説は、徳川家治時代の江戸は鐘ケ淵を中心として繰り広げられていきます。
無外流の達人である老剣客、秋山小兵衛を筆頭に妻の おはる、
同じく無外流の達人である息子の秋山大次郎、
大次郎の妻であり田沼意次の隠し子である女武芸者佐々木三冬ら
秋山一家を中心に様々なストーリーが展開されていきます。

私はこの一連のシリーズのいたるところが好きなのですが、
中でも特に好きなのが食べ物に関するところの記述が好きなんです。

今も1冊、手元にあるのでお気に入りの箇所を抜き出してみたいと思います。

おはるは、父親が持たせてよこした鴨の肉と、見事な葱を一束と、芹と、手打ちの饂飩を小兵衛の前へ広げ、
「お父つぁん、今日は、これをとどけに来るつもりでいたんだとよ、先生」
「何よりの御馳走だ」
小兵衛は、おはるに命じ、鉄鍋で葱と共に焼き、酒をふくませた醤油につけて、食べることにした。
酒が出た。
<中略>
酒のあとは〔鴨飯〕である。これは、おはるが得意の料理で、鴨の肉を卸し、脂皮を煎じ、その湯で飯を炊き、鴨肉はこそげて叩き、酒と醤油で味をつけ、これを熱い飯にかけ、きざんだ芹をふりかけて出す。
それまで黙念としていた孫介老人も、この鴨飯には、舌鼓を打ち、
「かようなものが、この世に、ござったのか・・・・・・」
おどろきの声を発したのである。

以上「剣客商売 辻斬り」の卷に収録されている「老虎」より抜粋しました。

いかがでしょうか?
こんな寒い日が続いていることも手伝って鴨飯が食べたくなりませんか?
他にも根深汁や上州蕎麦など様々な「食」の描写がこのシリーズには登場します。

2時間もあれば1冊読めてしまうと思うので、たまのお休みの日にでもぜひ☆

剣客商売
写真撮影・田村邦男氏
出典・http://www013.upp.so-net.ne.jp/tsuruf/menu.files/ikemain.htm


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Posted by CATS HOUSE RECORDS at 00:01│Comments(0)ミヤハラコウヘイ
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