なぜデザインなのか。

2007年12月24日

なぜデザインなのか。

という本を読みました。

私が気になっている原研哉さんというグラフィック・デザイナーと、
阿部雅世さんというアーキテクト・デザイナーの対談を本にしたものです。

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本書の前半は東京、後半はベルリンでの対話になる。東京篇では僕がインタビューを受けるような形で始まり、ベルリン篇では逆に僕が阿部雅世に質問を投げかけるような格好で話が始まる。互いのバックグラウンドや、最近の興味などをそういうふうに伝え合いながら、徐々に話しを交差させていった。読み返すと、互いの話の分量が五分五分になるくらいのところに本書の味が出ているように感じられる。
僕らは『デザイン』という言葉を大事に生きてきた。今日、デザインという言葉がおびただしく飛び交うけれど、それはなぜか。対談集のタイトルともなったそういう大きな問いに背中を押されるように、対話は進んで行くのである。
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原研哉「まえがき」より抜粋


と、このような本です。
先日、別の本を探しに天神はジュンク堂に参りましたときに偶然、この本と
出くわしまして気になるデザイナーの気になるテーマの本ということもあり
金欠にも関わらず即決で購入致しました。
そしてしなければならないこともせず、翌日の昼には読了。

良い本でした。

特に阿部雅世さんが原研哉さんにインタビューをしている前半部分は、
私にとって大変に価値の在るものであったと感じています。
私が日々の生活で考えていることについて、似たようなことを阿部さんが
訊いて、それに対して原さんが回答する。
言葉として、そこに考えを見ることができるので私も自分の言葉を頭の中に
並べて一緒に考えることができる。似た回答が私の頭の中に現れることもあれば
全く異なった見解になることもある。
異なった時に気になるのは、その背景にある原さんと私の差異ですが
阿部さんはしっかりと阿部さんのバックグラウンドについても質問を
投げかけて下さる。だから私はさらに深く考えることができる。

そんな意味で、良い本でした。

ところで、この本はタイトルこそ「デザイン」となっていますが決して
デザイナーだけに向けた本ではなく、さらにデザインに全く関心がなく
寧ろ疎い方さえもを読者として想定している本であると私は感じました。

デザインにまつわる様々なコンセプトについて語り合い、そして日常用いる
言葉に新たな解釈を加える。そうかと思えば、リアリティのある言葉で彼らの
体験や現実を分析してあり、社会について多くを考えるきっかけになります。

年末年始、時間のある方は一度お読みになってみてはいかがでしょうか?

原研哉
1958年生まれ。グラフィック・デザイナー。武蔵野美術大学教授、日本デザインセンター代表。「RE-DESIGN」「HAPTIC」などの展覧会企画も多数手がける。著書に『デザインのデザイン』、その英語増補版『DESIGNING DESIGN』などがある。東京在住。

阿部雅世
1962年生まれ。アーキテクト・デザイナー。99年Masayo Ave creationを設立し、独自の実験製品のプロデュースを開始。欧州を中心に、製品開発や素材の応用研究等のデザイン活動を続けている。2007年年9 月、国立エストニア芸術大学教授に就任。ベルリン在住。

なぜデザインなのか。

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Posted by CATS HOUSE RECORDS at 16:14│Comments(2)ミヤハラコウヘイ
この記事へのコメント
原研哉さんの「デザインのデザイン」も面白いですよー
Posted by at 2007年12月26日 20:16
原研哉さんは「デザインのデザイン」を最初に読んで、
そこから色々と彼の書いた文章や雑誌の記事なんかも
読ませて頂いております。
彼の物事の考え方って面白いですよね♪
Posted by ミヤハラコウヘイ at 2007年12月27日 12:48
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