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茂木健一郎 × 河合隼雄

2008年08月31日

脳科学者の茂木健一郎さんと、臨床心理学者の河合隼雄さんの対談集で
2008年7月に潮出版社より発売された「こころと脳の対話」という本を読みました。

茂木さんは以前にも書きましたが、近年はテレビなどにも頻出している新進気鋭の
脳科学者でございます。私も彼の著作が気になって何冊か読んではいるのですが、
臨床心理の分野では河合さんほど著名な方はいないのではないかというほどの方との
対談集とあって随分と期待をして読みました。

それなりに面白かったです。


中でも二つ、気になるところがございましたので記します。

河合隼雄さんはカウンセリングをされる方なのですが、そんな彼の表現です。
カウンセリングの一環で「箱庭療法」というものがあるのだそうですが、
その普及には随分と苦労をされたそうです。というのも、この箱庭療法には
いわゆる科学的な説明を付けづらいからというのです。

つまりは、標準化が難しいとそういうことらしいのですが、
その背景には科学的証明のできないものは「ダメ」だという観念が存在するからだそうです。

が、そこで河合隼雄さんは以下の様な旨のことをおっしゃいました。

標準化とか理論化よりも、箱庭療法で患者が治ることが大切。
あくまでも目的は、患者さんが良くなることだから。
科学的な説明ができなくても、患者さんが快方に向かうならいいじゃないですか、と。

私には彼の主張が正しいかは分かりません。
もしかしたら、後年になって大きな副作用で患者さんが苦しむことに
なるかもしれないし科学的な説明が本当は必用なのかもしれません。

それでも、河合さんが「目的」というものを随分と大切にされていたんだなぁと
そういうところがとっても気になりました。


そして、二つ目。

「愛は盲目」といいますが、これは脳科学的に正しいそうです。


以上。


かるい本なんで、気分を紛らわせたいときなんかにオススメです♪

ISBN-10: 4267017999
ISBN-13: 978-4267017995


  


Posted by CATS HOUSE RECORDS at 00:54Comments(2)ミヤハラコウヘイ

The Brain and Imagination

2008年05月29日

最近、友人とスターバックスで読書をするのが気に入っておりまして
天神近辺のお店でよく本を読んでいるのですが、本日はその1冊を御紹介します。

茂木健一郎さんの「脳と仮想」(新潮社.2004)です。
知人から頂いた本でして、なんとなく読んでみたのですが面白かったです。

内容は、案の定よく解らなかったのですが、きっと
人間にとって「仮想」というものは必要であり、とても大切なものである
というような旨のことを記してあったのだと思います。

たぶんエッセーの類いに分類される書物だと思うのですが、
彼なりのロジックと語り口で展開されていく話題は飽きさせません。

文章の至る所に、同調できるところ、
さらに発展させて考えることのできるところ、
反論したくなるようなところがありまして、
気が付いたらアタマの中は本文とは関係のないところを彷徨っていたり。

ところで、私はこの本は何よりも装幀が好きでした。
本のカバーはもちろんのこと、カバーを外した表紙と裏表紙が何とも好みでした。
誌面に占める、文字の分量や、その他諸々の細かいところまでも。

本屋などにあると思いますので是非一度お手にとってみてください。  


Posted by CATS HOUSE RECORDS at 02:50Comments(0)ミヤハラコウヘイ

茂木健一郎さんと音楽のおはなし

2008年01月29日

今日は再び最近読んだ本を御紹介したいと思います。
茂木健一郎さん「すべては音楽から生まれる 脳とシューベルト」です。

2008年1月発行のPHP新書なんですが、天神のTSUTAYAで偶然に発見し
読んでみたら案外、面白かったので少々記します。

著者の茂木健一郎さんソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員を
されつつテレビ番組などにもご出演されていらっしゃるのでご存知の方も
多いかと存じますが「クオリア」というキーワードを広めたのはこの方です。

ちなみに尾崎豊さん(の詩)を大変高く評価している脳科学者、
というのがこれまで彼に対する私の認識でした。

そしてこの本を読んで私の認識は、
音楽の大好きな生命哲学者へと変化しました。

あくまで、この本を読んでのことですので他の著書を読めば認識は変わるでしょうが。


本の副題の通り、この本ではシューベルトをはじめてとしてクラシック音楽について
茂木さんが色々と語るのですが、よっぽど好きなんだろうなぁと感じると共に、
脳科学の知識がバックボーンになっているのは確かであるとしても、
その語り口は科学的というよりも哲学的であるなぁと感じました。

きっと彼の中では科学的であろうが、哲学的であろうが導かれる先は同じであり
だからこそ読者にとって、取っ付き易いであろう生命哲学という方法をもって
音楽を題材に語っているのであるとは思います。が、脳科学者という彼に張られている
レッテルを信じ、音楽に関する科学的な知見を求めて読んだ方は
ちょっと裏切られたような気がするかもしれません。私もその中の一人です。

しかし、しかし、しかし、
エンターテインメントとして読む分には、とても面白い本だとも思います。
彼の文章はなかなかに癖があり、読みづらいこともあるかもしれませんが、
集中して読み始めてしまうとそれも気になりません。ただ、それまでにかかる
時間が他の書物よりも長くかかるというだけです。
特に最後の章では「ラ・フォル・ジュルネ」というコンサートを主宰している
ルネ・マルタンというフランス人の方と対談をされているのですが、ここは本の
中でも私にとってはイチバン、面白く感じたところでした。


ということで、音楽に関心のある方はお読みになって損はないと思います♪


■すべては音楽から生まれる 脳とシューベルト
■茂木健一郎
■PHP新書
■¥714(税込み)

  


Posted by CATS HOUSE RECORDS at 10:55Comments(2)ミヤハラコウヘイ